カクテル、暖炉、
そしてオールドマネーの居心地。
コネチカットで印象に残る夜は、派手なルーフトップではなく、暖炉の前の一杯かもしれません。海辺のリゾート、1776年から続くイン、Litchfield Hills の隠れ家、そして火のそばのタバーン。この州の贅沢は、声が小さいぶん、長く残ります。
コネチカットで印象に残る夜は、派手なルーフトップではなく、暖炉の前の一杯かもしれません。海辺のリゾート、1776年から続くイン、Litchfield Hills の隠れ家、そして火のそばのタバーン。この州の贅沢は、声が小さいぶん、長く残ります。
この州では、暖炉は装飾ではなく、夜の速度を決める装置です。カクテルの味まで少し落ち着いて感じられます。
海辺でも内陸でも、コネチカットの上質は「騒がないこと」に宿っています。そこが日本人旅行者に強く響きます。
この州の「オールドマネー感」は、富を見せびらかすことではありません。よく手入れされた古いバー、木の床、暖炉の熱、声を張らない接客、そして一杯のカクテルに時間をかける余裕。そういう夜の習慣の中にあります。日本人旅行者にとっては、むしろそこがいちばん魅力的かもしれません。
コネチカットの夜は、豪華さより居心地で記憶されます。もちろんラグジュアリーな宿もあります。海辺のリゾートもあります。けれどこの州で本当に印象に残るのは、少し古い木の匂いがする部屋、暖炉の前の丸い会話、港の近くで飲む一杯、あるいは田園の奥で火に照らされる石壁です。ここでは「良い夜」がすぐに説明されません。そのかわり、座っているうちに身体が理解します。
コネチカットの贅沢は、派手な夜景ではない。
暖炉の熱と、静かな一杯に時間をかけられることだ。
1776年から続くインには、歴史の重さだけではない、現在の居心地があります。
The Griswold Inn は、コネチカットの「古い夜」を最もわかりやすく見せてくれる場所の一つです。1776年創業という説明はもちろん強い。けれど、ここが本当に良いのは、歴史を博物館のように見せず、ちゃんと今の夜の居心地に変えているところです。Tap Room に入ると、木の色、壁の絵、火の気配、グラスの音まで含めて、町の夜がひとつの質感になります。
この種の場所では、カクテルが妙に大げさでない方が似合います。少し濃い色の木と、少し低い声の会話に合う一杯。コネチカットのオールドマネー感とは、たぶんこういうものです。値札より先に、長く続いてきた空気の方が強い。だからここでは、飲むことが少しだけ「座ること」に近くなります。
水辺のラウンジと暖かな室内が近い。そこにコネチカットらしい贅沢があります。
Saybrook Point Resort & Marina は、海辺の上質をきわめて上品に見せる場所です。Long Island Sound と Connecticut River が出会う場所に立つこのリゾートは、水辺の華やかさと室内の落ち着きが近い。夏は Marina Bar の外の空気が強いですが、秋から冬にかけては、館内ラウンジやレストランの暖かさがぐっと効いてきます。
ここで面白いのは、「海辺だから軽やかに飲む」のではなく、「海辺なのに静かに落ち着ける」ことです。Fresh Salt でちゃんと座って食べるのもいいし、Choo Choo Lounge の方へ寄せて一杯から始めてもいい。コネチカットの海辺は、東海岸の派手なリゾート感より、少し古くて整った別荘の延長のような安心感で勝っています。
火のそばで飲むなら、こういうタバーンがちょうどいい。
G.W. Tavern は、Litchfield Hills 側の夜を考えるとき、非常にわかりやすい選択です。コネチカット州観光局も火のある食事の代表として挙げており、公式サイトでも伝統的と現代的を混ぜた料理、ワインとスピリッツ、アフターディナーのドリンクをきちんと案内しています。つまり、ここは「古いだけの店」ではなく、今の夜としてちゃんと使えるタバーンです。
Washington Depot のような町にあると、その良さがさらに際立ちます。都会のバーのように自分を演出しなくていいし、海辺のように景色へ頼らなくてもいい。暖炉、テーブル、少しだけ重い木の空気、それで十分に夜が成立する。日本人旅行者にとっては、この抑えた上質がむしろ新鮮に感じられるはずです。
オールドマネーの居心地を、もう少し現代的に、もう少し贅沢に読むなら。
Winvian のレストランは、梁のある天井、大きな石の暖炉、firelight という言葉そのままの空間を公式に打ち出しています。さらに Maggie’s Tavern では、火の前でカクテルや軽食を楽しめると案内されています。Litchfield Hills の「別荘地的な静かな贅沢」を体験したいなら、ここは非常に強い候補です。派手な都会の高級感とは違い、広い敷地と火のある部屋の安心感で勝っています。
一方、より海側に寄せて少し現代的な洗練を求めるなら、Southport の Delamar Hotel と Artisan もよく似合います。Artisan は main dining room だけでなく tavern の気配も持ち、New England らしい食材を今の感覚で出してくれる。古い豊かさをそのまま再現するのではなく、今の居心地へ翻訳している感じがコネチカットらしい。
一晩の完成度は、件数より温度で決まります。
Essex の The Griswold Inn。Tap Room で一杯、あるいはそのまま宿泊まで含めて完結させる。これが最もわかりやすい王道です。
Old Saybrook の Saybrook Point。外の水辺と中の暖かさの対比が、この州の静かなラグジュアリーを最もきれいに見せてくれます。
Washington Depot の G.W. Tavern、あるいは Morris の Winvian。暖炉のある夜を、もっと深く、もっと静かに味わいたい人向けです。
このページで使った主な場所を、実務的にまとめます。
| 名称 | 役割 | 住所 | 電話 |
|---|---|---|---|
| The Griswold Inn | 歴史あるイン&タップルーム | 36 Main Street, Essex, CT 06426 | 860-767-1776 |
| Tap Room at The Griswold Inn | 暖炉の夜・カクテル | The Griswold Inn 内 | 860-767-1776 |
| Saybrook Point Resort & Marina | 海辺の静かなラグジュアリー | 2 Bridge Street, Old Saybrook, CT 06475 | 860-395-2000 |
| Fresh Salt | 海辺のメインダイニング | Saybrook Point 内 | 860-395-2000 |
| G.W. Tavern | Litchfield Hills の暖炉タバーン | 20 Bee Brook Road, Washington Depot, CT 06794 | 860-868-6633 |
| The Restaurant at Winvian | 石の暖炉のあるラグジュアリーダイニング | 155 Alain White Road, Morris, CT 06763 | 860-567-9600 |
| Maggie’s Tavern | 火の前の一杯 | Winvian 内 | 860-393-3004 |
| Artisan at Delamar Southport | 現代的で落ち着いた海側の夜 | 275 Old Post Road, Southport, CT 06890 | 203-307-4222 |
コネチカットの夜は、見せる夜ではなく、落ち着く夜です。
The Griswold Inn か Saybrook Point。どちらも、この州の「静かな上質」を非常にわかりやすく体験させてくれます。
暖炉、木の床、控えめなカクテル、そして長く座っていられる空気。コネチカットのオールドマネー感は、その全部が騒がずに共存しているところにあります。